2025.04.28 |12歳の天才アーティスト、今治タオルで世界へ発信!

12歳の天才アーティスト、
今治タオルで世界へ発信!

「今治タオル デジタルアートギャラリー」とコラボレーションした、アーティストのゾンビ・ズー・キーパーさん。

ゾンビ・ズー・
キーパー

Zombie Zoo Keeper

2012年生まれ、東京都出身。2021年8月末より、夏休みの自由研究として、アーティストの母である草野絵美と一緒にNFTアートプロジェクト「ゾンビ・ズー」を始動。タブレットアプリでゾンビ化した動物たちのドット絵を描き始める。開始から1週間ほどで、世界中のアートコレクターたちの目にとまり話題に。2023年には、東京都現代美術館で開催された「MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ」に出展。歴代最年少の作家として注目を集めた。

草野絵美
(くさの えみ)

Emi Kusano

1990年生まれ、東京都出身。学生時代から、3人組エレクトロ・ユニット「サテライトヤング」として活動を開始。FITミュージアムやヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で作品を発表する。AIアートを中心に手がけ、オークションハウス・クリスティーズなど世界中で展示を行う。著書に、子育てとテクノロジーのこれからを描いた『ネオ子育て』(CCCメディアハウス)がある。

コロナ禍に描いた
NFTアートが、

世界的な人気に。

「Zombie Zoo Keeper(ゾンビ・ズー・キーパー)」という、12歳のアーティストをご存じでしょうか?
画像、動画、音声などに唯一無二のデジタル証明書をつけることのできるNFT(非代替性トークン)を使った作品制作が有名です。

ゾンビ・ズー・キーパーさんと、描かれた作品たち。
楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

ゾンビ・ズー・キーパーさんの名前が広く知られるようになったのは、NFTが最も注目された2021年、コロナ禍でおうち時間が増えていた時期です。NFTに関する記事をたまたま読んで興味を持ち、同じくアーティストでもあるお母様の草野絵美さんの薦めもあって、大好きなゲーム『マインクラフト』に出てくるゾンビをiPadでピクセル画として描いてNFTアートとして発表したところ、なんと著名なコレクターのトレバー・マクフェデリーズさんや人気DJのスティーブ・アオキさんたちが作品を購入!

こちらがDJのスティーブ・アオキさんが購入した3枚の作品。

知名度は世界的にどんどん上がり、翌22年には『ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)』で話題となった、あのピコ太郎さんともコラボレーションして「Zombie Zooの歌」まで発表してしまいました。
そんなゾンビ・ズー・キーパーさんが、2024年5月にオープンした「今治タオル デジタルアートギャラリー」とこのたびコラボレーション!オリジナルタオルが近々発売されるということで、実際にご本人と草野絵美さんにお会いして話を聞いてみました。早熟の天才アーティスト、ゾンビ・ズー・キーパーさんはいったいどんな子どもなのでしょうか?

ピコ太郎さんとコラボレーションを果たした楽曲のミュージックビデオの様子。

さまざまなことに

興味津々な12歳の素顔

アーティストでもあるお母様の草野絵美さん(右)と、ゾンビ・ズー・キーパーさん(左)。

お会いしたおふたりは、ちょっと元気のよさそうな男の子と、おしとやかなお母様といったご様子。ゾンビ・ズー・キーパーさんは取材時、中学校に入学したばかりのタイミングです。そもそも、NFTアートを発表する前から、習慣的に絵を描いていたのでしょうか?

こちらは草野絵美さんと、絵美さんの作品たち。
懐かしさを感じさせる作品です。

「小学校に入る前から、ばあばと一緒にiPadや紙に絵を描いていました。ポケモンとかのアニメを観て、それをもとに自分でオリジナルのキャラクターを考えて描くのが好きでした」

幼少期からクリエイティブな一面が垣間見えますね。それも、「ばあば」ということで、聞いてみるとお祖母様は草野かおるさんというイラストレーターとのことです。なるほど、お母様だけでなくお祖母様の影響もありそう。

イラストレーターとして活動している、お祖母様の草野かおるさん。
写真提供:文化放送

芸術一家のようですが、学校ではどんな感じなのか気になったので聞いてみました。お昼休みの時間は何をして過ごしていますか?

「友達とドッジボールや鬼ごっこをしたり、外で遊ぶことが多いです。そうやって体を動かす中でインスピレーションが湧いたら絵を描くみたいな感じです」

おっと!意外と普通の12歳らしい過ごし方。……と思いながら、外遊びからも創作のインスピレーションを得ているとは、これは斬新です。小学校のクラスの中ではどんな立ち位置だったのでしょうか?

「その場を盛り上げたりもするけど、しゃべるネタを提供する人。クラスの中心にいる友達に話を振ったり、その話に反応したりして引き立てる役」

広い世界を自由に見せてあげるのが親の役目と語る草野絵美さん。
のびのびと育てているようです。

まるでプロデューサーのようです!でも自分自身で話すことも好きで、クラスでも司会などをされているとのこと。続いて、好きな科目について。

「国語と社会と算数。社会は歴史、算数は論理を考えるのが楽しい。あと理科もプレゼンするのが得意」

理科のプレゼンは、世界的な問題について毎回3時間ぐらいかけて資料を作成して、それを先生やクラスのみなの前で発表するような形だそう。なんだか、美術的な感性だけでなくて論理的思考も持ち合わせているようですね。
そして最近は、受験勉強がやっと終わって、友達と遊ぶ時間を楽しみながら、毎日やりたいことをできているそうです。

「今日はオーディオブックで『ハリー・ポッター』1巻を1日で読み終えました。そんなふうにオーディオブックを聴きながら『ポケモンカード』のゲームもしています」

オーディオブックで本を読みながら、ゲームを同時にやっている?! それは本の内容が頭に入ってくるのでしょうか?

「めちゃくちゃ入ってきます。たまに友達と電話しながらゲームをする時もあります」

すごいマルチタスクです……!

アニメを観ている量も膨大だそうで、Netflixで2倍速で『ナルト』や『幽☆遊☆白書』など歴代のジャンプ作品をそれぞれ1ヶ月かからないスピードで観ているそう。デジタルネイティブっぽいですね!
そして先日フランスに行った際にはベルサイユ宮殿を訪れて、ルイ14世が爆食いしていた話などに興味を持ったようです。『ポケモン』から『ナルト』や『幽☆遊☆白書』、さらにはルイ14世の話まで、それらを同列に面白がっているのも今時な感覚です。好きな科目にも通じますが、興味の幅も広そう。

コラボレーションタオルに
鬼を描いた理由

コラボレーションタオルの黒白のもの。
裏返すときれいに色が反転しています。

黒地に青と黄色で描かれたもの。
こちらも裏返すことでまた違った表情を楽しめます。

さて、ここで「今治タオル デジタルアートギャラリー」とコラボレーションして出来上がったタオルを見せてもらいました。黒地に白のものと、黒地に青と黄色で鬼が描かれた、なんともかわいらしいタオルです。
ちなみに、草野家では今治タオルを長年使っているそうで、ゾンビ・ズー・キーパーさんご本人が意識していなくても、生まれたときから身近にあったそう。

今治タオルとの深いつながりが、ちゃんとここにありました。
今回のタオルは近くで見ると柄のようですが、引いて見ると鬼のキャラクターが現れてきます。昨年の秋に今回のコラボの話があり、10月ごろにiPadでピクセル画として描いたものがこのように形になったのですが、実物を目にしてみて、いかがでしょう?

「自分ではドット絵で描いていたのに、生地の色の違いでキャラクターが表現されていてすごい。裏面もキャラクターが成り立っていて面白い。職人技ですね。場所によって糸の感触が強いワサワサしたところと、糸が少ないサラサラしたところで違いがあるのも楽しい」
と、タオルを触りながら、その仕上がりに満足の模様。でもなぜ、今回は鬼を描いたのでしょうか?

実際に触ることで、場所によるタオルの質感の違いを感じているゾンビ・ズー・キーパーさん。

「最初、今治市はミカンの産地として知っていたので、ミカンを描こうと思ったけど、それだと単純すぎるなと。そんなときに栃木県の日光東照宮を訪れて目にした仁王像を思い出してピーンときました。筋肉があって面白いし、世界に発信する企画だから愛媛だけにしぼらず広く考えて日本っぽいものを描きました」

すごい!世界に向けたブランディングを考えた上で鬼を描いていたとは。さらに、そこからも話は止まりません。製作の都合上、黒のタオル地の上に2色しか使えないことが難しかったと語るゾンビ・ズー・キーパーさん。

今年の3月にフランス・パリで今治タオルとゾンビ・ズー・キーパーさんとの
コラボレーションを記念した展示が先行して行われました。
左側壁面にタオルが並びます。

「でもそういった制限があったことでアイデアも浮かんできました。両方とも反対の関係にある色で描こうと思って。(白黒のタオルのほうを指さして)こっちは白と、その反対の黒を使って、ぽっちゃりした丸っこい鬼を。(青黄のタオルのほうを指して)こっちは青と、その反対の黄色を使って、ガリガリの細い鬼を。全体を見たときに暗いものと明るいものとで対比も出しました。鼻や口、ツノは同じ形にすることで、違いを出した部分がより際立つようにもしています」

なんと、まるで敏腕プロデューサーからプレゼンされたような気分です!2体の鬼というモチーフを、色や形で対比させるというバランスまで考えた上で描いていたんですね。しかも、この説明はいま初めて言語化されたことのようで、お母様の草野絵美さんはもちろん、「今治タオル デジタルアートギャラリー」の制作陣たちも初めて知り、一同驚きの表情……。

「今治タオル デジタルアートギャラリー」の仮想空間のギャラリーに興味を示しています。

最後に、「今治タオル デジタルアートギャラリー」の仮想空間のギャラリーで今回のタオルが展示されることも伝えたところ、

「面白そう!デジタルだったら、今の通常モードの鬼の顔からニコッと笑ったり動くようにしてみたい」

と即答。またクリエイションの幅が広がっていきそうですね。
コラボレーションタオルの発売や「今治タオル デジタルアートギャラリー」での展示は4月末を予定。
若き才能が感性と論理を使って生み出した作品を、ぜひその目で確かめてみてください。
それにしても、12歳でここまで考えて作品制作していたとは!ゾンビ・ズー・キーパーさんの将来がとても楽しみですね。

最後はふたりのポートレート。
興味深いお話に、取材現場はずっと引き込まれていました。


今治タオル デジタルアートギャラリー
https://www.imabaritowel.jp/digital-art-gallery

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「デジタル×アートの力で、今治タオルの魅力を世界へ。今治タオル デジタルアートギャラリー」
https://www.imabaritowel.jp/imabari_life/report/imabari_life/report7649

ゾンビ・ズー・キーパー
(公式Instagram)
https://www.instagram.com/zombiezooart

草野絵美(公式サイト)
https://www.emikusano.art


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