2016.12.27
エチオピア視察団|ニュース Vol.1
エチオピア視察団、今治タオルを訪問
11月29日、エチオピアで皮革開発をしている生産者の方々が、国際協力機構(JICA)の招聘により、今治タオルブランドの視察に訪れました。
参加者は、エチオピアの政府系機関である皮革産業開発機構(Leather Industry Development Institute)、生産者団体のエチオピア皮革産業組合(Ethiopian Leather Industry Association)および民間企業代表者による視察団。
羊皮革の質の高さを誇るエチオピアでは、2015年、国際協力機構(JICA)の支援により、羊皮革ブランド「エチオピアン・ハイランド・レザー」がスタート。羊皮革をこれからのエチオピアの主要な輸出品とするため、ブランドの確立を目指しています。
当日は、まず今治タオル工業組合の近藤理事長と木村専務理事から、今治タオルのブランディングについての概要を解説。地域ブランドの立ち上げに大切なこと、生産者同士の協力、リーダーやプロデューサーの重要性、またブランドを管理するに当たって、今治タオルブランドの認定方法や管理様式について説明されました。
視察団のみなさんは熱心にメモを取ったり、活発に質問したりしており、ブランドや品質管理に対する関心の高さが伺えました。
また、(一財)日本タオル検査協会では、タオルの吸水性を試験する「5秒ルール(※)」の実際の検査を視察。5秒以内に水に沈み始めるタオルと沈まないタオルの違いを目の当たりにした視察団は、今治タオルブランド商品の独自の品質基準について納得されていました。
最後に、今治タオルを製造するメーカーのひとつ「正岡タオル株式会社」を訪問。正岡社長に生産と検品工程のご案内をいただきました。
視察後、視察団のみなさんからは、口々にうれしい感想が。
「行き渡った管理システムと、細やかな検品作業が印象に残った。今治タオルブランド商品の品質基準やチェック体制を学べば、世界で通用する製品ができると思う」
「今治タオルブランドのことは1年前に知り、実際のブランディングや管理方法を知って、ますます良さを実感しました。エチオピアでは羊皮革製品の生産メーカーはおよそ30社ありますが、統一した商標の管理や品質基準の設定など、できるところから取り組んでいきたい」
視察団のみなさんとの交流を通じて、今治タオルのブランド化の歩みと品質管理体制を、改めて実感できた一日でした。エチオピアの羊皮革製品が、日本でも広く展開されるときを楽しみにしています。
Ethiopian Highland Leather(エチオピアン・ハイランド・レザー)
エチオピアの国土の多くを占める3,000m級の高原で育てられた羊の革は、薄く柔らかく、軽くて丈夫なため、世界最高の革素材の1つと言われています。エチオピアの特産品として海外での知名度を上げていくために、エチオピア政府やJICAの協力を得て、地元の皮革業生産者がブランド化を図りました。
シューズや手袋、鞄など、さまざまな製品の開発が始まっています。