2023.03.07 |今治市が「住みたい田舎ベストランキング」1位に!?|今治レポートVol.20

今治市が
「住みたい田舎ベストランキング」1位に!?

その実態を確かめに、いまばりフェア その2に行ってみた。


宝島社『田舎暮らしの本』2月号 2023年版「住みたい田舎」ベストランキングで、今治市が1位に選ばれたって知ってました? 自然の豊かさ、住宅支援、住民との交流などさまざまなアンケート項目を、人口10万人以上20万人未満の全50の自治体が答えた結果で、若者世代・子育て世代・シニア世代すべてから支持されたそうです。そんな今治市の実際の盛り上がりを確かめるべく、都内で開催された「きてみて!! 日本一住みたいまち いまばりフェア その2」に足を運んでみました。

全国各地の物件やお仕事情報、移住者レポートなどを紹介する雑誌『田舎暮らしの本』の特集「住みたい田舎ベストランキング」。

今治移住者の声が聞ける
いまばりフェアその2

いまばりフェア その2は、2月17日(金)から19日(日)までの3日間、東京都八重洲の移住・交流情報ガーデンにて開催された、今治の魅力を伝えるイベントです。その第1回いまばりフェアは昨年8月に好評のうちに終了。今回のいまばりフェア その2は、移住者のリアルな声が聞ける移住セミナーや地元企業による合同企業座談会、移住や空き家の相談ブース設置など盛りだくさんの内容です。

東京駅八重洲口から徒歩4分の移住・交流情報ガーデン。まさに都会のど真ん中です。


フェア開始前の会場。移住に関する資料や相談ブースも充実しています。


ランキング1位を記念して作成された、楽しげなパネルも会場で展示されていました。


のぞいてみたのは、3日間の中でも移住セミナーが実施されるというフェア初日。セミナーは、えひめ移住コンシェルジュの板垣義男さんが司会を務め、しまなみに特化した不動産業者の野本裕人さんをゲストとして迎えたトークセッションです。板垣さんは2012年に東京から松山、野本さんは2020年に大阪から今治と、ともに移住者という2人。移住のリアルな声が聞けるのではと、期待が高まります。

お馴染みバリィさんのぬいぐるみや鯛めしの素などが並ぶ物産コーナーも併設されていました。


来場者には、愛媛が誇るロングセラーの宮内いよかんが手渡されます。

求人募集が多く、
若い世代も急増する「移住バブル」

セミナーの前に、まずは今治市しまなみ振興課の渡部泰生さんと池田貴充さんに今治移住の実態について取材してみました。

住みたいまちとして、すべての世代で今治が1位に選ばれているようですが、若い世代からの人気も高いのでしょうか?

「移住者の6〜7割は20代から40代ですね」と、統計上の数字を潔く口にしてくれたのは渡部さん。

「若い世代も多いのは、今治市に働く場所がたくさんあるからです。今治タオルは全国的にも広く知られていますが、そのような糸にまつわる縫製業や染色業など繊維産業は裾野が広い。加えて、海の街である今治は造船も盛んで、銀行や保険との関わりも深い海事産業も発達しています。これらの業界では慢性的に求人募集している状態です」

移住について考えたときにやっぱり気になるのは仕事ですが、どうやら心配なさそうです。
ちなみに、今治の中でも四国本土側としまなみ海道に浮かぶ島々とでは働き方も変わってくるようです。

「勤め先としては本土側の方が多く、島ではカフェを開いたり農業を始めたりと自主的な働き方をする人が増えていますね。もちろん、島に住みつつ本土側に勤めに出る生活スタイルもあります」

なるほど、一口に今治と言ってもいろいろな働き方ができるんですね。

今治移住の現状について、ときに数字を交えつつ熱心に語ってくれた渡部さん。


また、今治の魅力と言えば、やはり海・山・川など恵まれた自然環境。島であれば360度を海に囲まれた、憧れのしまなみ暮らし。ただ、本土側も半島になっているので、270度海に面しています。今治に住むほとんどの人が、10分ほど車を走らせれば海に到着するそうです!

そんな素敵な暮らしを実現できる今治。この数年は特に移住者が増えているという決定的な事実を教えてもらいました。

「移住者数は、我々が統計を取り始めてから右肩上がりです。2022年は、その2年前と比べて3倍以上も増えています。人口15万人の街で1700人も移住しているなんて、この状態は完全に移住者バブルですよね」

3倍以上も移住者が増えている! 「移住者バブル」というパワーワードが飛び出しましたが、今治の盛り上がりはまさしく本物でした。

フェアの担当者で移住コーディネーターとしても活躍する池田さん。今治愛にあふれています。


移住者バブルのきっかけとしては、現市長の行った施策も大きいようです。

「子育て支援に積極的に取り組んだり、プロの料理人を起用した『日本一おいしい給食プロジェクト』を企画したり、そのような施策一つひとつが積み重なった結果かと思います」
さらに、移住者の相談に親身にのってくれる「移住コーディネーター」という職を新設。これは心強い。

300万円から理想のマイホームが手に入る
住宅改修補助とは?

セミナー前にインタビューに応じてくれた板垣さん(左)と野本さん(右)。


登壇前の板垣さんと野本さんのお話も聞くことができました。板垣さんは現在松山市に住みながら愛媛県全体の移住コンシェルジュとして活動。一方の野本さんはしまなみ海道の島々の1つ、大三島を拠点に不動産業を営んでいます。2人が互いに頷き合っていた今治の魅力の1つに「島時間」がありました。
「特に島の方は、流れる時間がゆっくりしているんです。うちに住まい探しに訪ねてくる人もみんなおしゃべり好きだから、つい話し込んじゃうんですけど、僕にはそんなのんびりした時間感覚が合っている」と笑いながら話す野本さん。

大三島で暮らしていくうちに島時間に馴染んできたと言う野本さん。


続いて板垣さん「移住者の空き家の住宅改修補助という補助金もあって、今治市はその手当が厚いですね。空き家を活用して住めば、そのリノベーション費の2/3の手当が出ます(子育て世代だと400万円、それ以外は200万円まで)。東京だと一軒家に住むのはなかなか難しいですが、今治だと60万円から空き家が見つかりますよ。例えば子育て世代が100万円の空き家を購入するとして、リノベーションに600万円の費用がかかっても、400万円の補助金が出るので300万円ほどの資金があれば夢の一軒家に住めるわけです」
300万円から理想のマイホームが手に入るとは! これは驚きです。

空き家の住宅改修補助という驚きの情報を話してくれた板垣さん。


そしてセミナーでは、窓辺から見える海や薪ストーブで暖を取る様子の写真などをスクリーンに映しながら、移住先での暮らしについて話してくれました。美しいライフスタイルに目を引かれる客席のみなさん。

セミナー終了後、客席からは自ら板垣さんや野本さんに個別の相談に向かう人がなんとも多く、本気度の高さを感じます。

観客の中の1組、土日に副業として都内でカフェを営む40代の男女は、「ロードバイクでしまなみ海道を渡ったときの景色が忘れられず、今治に移住して本格的にカフェを始めたい」ということでフェアを訪れていました。その2人が住まい探しにチェックしていたのが野本さんのサイトだったそうで、ご本人と直接話せて大満足の模様。

この初日だけでも来場者数はなんと61人! 板垣さんは「1つの市の相談会でここまで多くの人が集まるのはかなり珍しいことです。今治ならではの魅力によるものだと思います」と語ってくれました。

今回のフェアを通して、今治人気とその背景にひそむ理由を知ることができました。IMABARI LIFEでは、これからも移住者の方々の声を通して今治の魅力を探っていく予定です。熱い視線が注がれるこの街から、ますます目が離せませんね。

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