2019.06.25 |暑い日は、今治のかき氷を食べに行こう。

暑い日は、
今治のかき氷を食べに行こう。



ご存知ですか? 今治って、実はかき氷もおいしいんです。中には「並んででも食べたいかき氷の名店ランキング」で西日本ベスト1に選ばれたお店もあるとか。そこで今回のIMABARI LIFE は、そんな今治のかき氷人気店を取材しました。

パティシエの淡雪みたいなかき氷
玉屋サントノーレ

まずは、今治の中心街にある『玉屋サントノーレ』。

明治から4代続くお店で、先代までは和菓子屋でしたが、いまの店主の代で洋菓子屋になったとか。夏(4月末~9月ごろまで)はかき氷を、冬(10月から4月半ばまで)は洋菓子を売っているという変わったお店です。

商店街の中にある玉屋サントノーレ。



店内には、数々の芸能人の写真やサインが飾られていました。

夏季は、作業台の奥に隠れている洋菓子用のショーケース


店内をよく見ると、確かに隅の方に洋菓子用のショーケースが。冬になるとこれがお店の中心に移動し、ケーキが並べられるそうです。
かき氷を始めたのは2代目の店主。和菓子屋だったので、店にあった小豆を使ってかき氷を作ったのが始まりだったそうです。
さっそく、看板メニューの『ミルクセーキ』かき氷を注文。おっと。なんだかかき氷とは思えないビジュアルのものが出てきました。


看板メニューの『ミルクセーキ』かき氷。


ジュースやパフェを出すような器に盛られていて、しかも中身もシャーベットのように見えます。
「このメニューを出した当初からこういう器で提供していたらしく、当時はとてもハイカラだったそうです」
と語るのは、店主・渡辺貞治さんの奥様悦子さん。

一口いただいてびっくり。かき氷の概念がガラガラと崩れ落ちる食感。スムージーみたいに繊細な舌ざわりのものが口の中でふわりと溶けて、まさに淡雪のようなくちどけです。


かき氷の概念を覆すようなふんわりした食感

この食感はどうやってつくるんですか?
「削った氷をシェイク&ホイップして、キメを細かくするんです。もちろん手作業ですよ」
(悦子さん)

これならいくらでも食べられる! と勢いづいたスタッフは、『エリーの苺ミルク』も注文。
こちらも大人気のメニューだそうです。




女性に大人気の『エリーの苺ミルク』。


これもおいしい! 洋菓子に使うフランス産の苺ペーストを使っているので、普通の苺かき氷と違って、味わいが洋風。そしてやっぱり淡雪のような食感です。

ちょっと変わったものも食べてみよう。ということで、『きなこ和三盆』のかき氷を注文してみました。


きなこ和三盆

元和菓子屋なので、小豆は自家製。さらに阿波の和三盆と、京都宇治産の極上きなこを使っています。味は完全に和菓子なのに、淡雪のくちどけ。こちらもペロリと食べてしまいました。ごちそうさまでした。

ちなみに、この玉屋サントノーレのかき氷は、なんと通販できるのだとか。カップで固めたものがクール便で送られてきて、常温で解凍するかレンジでチンして、スプーンで混ぜて食べると、お店と同じ味わいで食べられるそう。遠方の方はぜひトライしてみてはいかがでしょうか。


果物を食べてるみたいな「本物」の味
登泉堂

さて、次にご紹介するのは『登泉堂』。2013年、日本経済新聞の「並んででも食べたいかき氷の名店ランキング」で西日本1位に選ばれたこともあるという和菓子の老舗です。

その評判通り、あまりにも行列ができるため、以前いた場所ではご近所迷惑になってしまうという理由で、新しい店舗に移転してきたというほど。こちらでは広い駐車場も完備されています。この日もまだ6月だというのに暑かったせいか、午後はだいぶ行列ができていました。

移転して広くなった『登泉堂』。行列が道路にはみ出ないようなつくりになっています。




こちらの人気メニューは、『いちご』。しかし入り口には、「今年のいちごのシロップは終了しました!!」という衝撃の張り紙が…!がーん。


なんでも去年の台風のせいで今年はいちごが不作だったのだと警備員さんが教えてくださいました。でも大丈夫。小さく「あまおうはあります!」と書いてあるし…。

そう、登泉堂には『いちご』と『あまおう』のメニューがあり、あまおうも同じく人気メニューなのだとか。よかった…。さっそくあまおうを注文しました。



カワイイ! シロップの上にミルクをかけた姿が、まるでいちごそのもの。そしてひとくち食べて、スタッフ一同、行列ができる理由を納得しました。しっとりとした氷はすっと舌に馴染み、シロップは本物のいちごがたっぷり入っていて、甘すぎないのにしみじみと奥行きを感じる味わいです。なんなんですか、このおいしさは!?

「ちゃんとつくってるからですかね。添加物も入れてないですし、いちごも減農薬のものですし。ミルクも全国の練乳を比べて、一番白くて、シロップの味を邪魔しないものを厳選しています」と語るのは店主の息子さんの五代目青野拓人さん。

さらに、今治タオルと同じ今治の水を使った氷は、手間と時間をかけて製氷したもの。シロップは、4月から一気に仕込み、その仕込んだシロップが売り切れたらその年のかき氷は終わり。いちごは毎年だいたい7月には売り切れてしまうそう。


他のメニューも食べてみたい! せっかくなので地元の果物を使ったものをいただきましょうか。
愛媛産の『いよかん』は、さっぱりとおいしく、見た目もとてもフォトジェニック。




『ブルーベリー』は大粒の果実が乗っていて、これまたおいしくて見た目もカワイイ。松山の農家さんから仕入れたブルーベリーを、洗って炊き込んでシロップにしていくそうです。

かき氷というよりは、果物を食べたみたいな満足感。こんなおいしいかき氷、どうやって開発したんですか?

「『本物』を使うこと。自分がおいしいと思うものを作ること。それだけですよ」
と語るのは店主で四代目の青野敦男さん。

氷は硬すぎると尖った食感になってしまうので、冷凍庫から出して少し置いて「ゆるませる」のが大事。ほんの少し水分を含んだ状態で削るから、まろやかな食感になる。この兼ね合いが難しいのだとか。削り方も、手でレバーを一回一回調整。それもシロップによって合う削り方が違うというから、かなりな職人技です。

ここは昔から続く和菓子屋で、かき氷を始めたのは敦男さんの代から。息子さんが言うには、「僕が小さい頃アトピーだったので、安心・安全にこだわるようになったらしいです」とのこと。やさしいお父様なんですね。

「27歳になって急に店を継ぎたいと言ったらオヤジに怒られました。『オレの老後をどうしてくれるんだ』って(笑)」
(拓人さん)


一緒にかき氷を作る店主と息子さん

いや、こんなおいしくて人気のお店、なくしちゃったらもったいないですよ!

「この商売、教えるのは難しいんですよ。数字で説明できるわけでもないし、感覚を覚えるしかないからね」(敦男さん)

確かに、これだけの味わいを受け継いでいくのは、きっとすごい技と鍛錬が必要でしょう。今治タオルの精神にも通じる、「本物」を作る意志と、「安心・安全」なものを届けたいという想い。やっぱりいいものをつくれば、ちゃんとお客さまに伝わるんですね。







ちなみに、かき氷のない季節もおいしい和菓子屋さんらしく、わらび餅(4月末~9月末まで)なども人気メニュー。早い時間に行かないと売り切れていることもあるそうです。
玉屋サントノーレ
住所:〒794-0024 愛媛県今治市共栄町2-2-54
電話番号:0898-22-2076
営業時間:10:30~19:00(夏期のみ 10:30~21:00)
定休日:不定休(7・8 月は無休)
公式HP:https://www.tamaya-sainthonore.com
登泉堂
住所:〒794-0826 愛媛県今治市郷新屋敷町2-5-30
電話番号: 0898-22-5735
営業時間: 10:00~ 18:00 かき氷は11:00~
定休日: 月曜日
公式HP: http://to-sendo1009.com

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