2026.02.06

今治中心部からすぐに行ける非日常!大島の絶景と感動体験

今治中心部から
すぐに行ける非日常!

大島の絶景と感動体験

瀬戸内海に浮かぶ今治市の大島。
古くから海とともに暮らしてきた人々の営みが今も色濃く残り、ちょっと懐かしい空気が流れる場所です。今治中心部からしまなみ海道を通り、大島南ICを降りると10分ほどで着くので、今治の島のなかでは比較的行きやすい場所でもあります。

今回のIMABARI LIFEでは、そんな大島のおすすめスポットを3か所ご紹介します。
さまざまなランキングで上位に選ばれた絶景、新鮮な島食材を使ったお料理、日本遺産に登録されている村上海賊の歴史と自然が織りなす文化のある体験をしてみましょう。

大人の秘密基地!?

亀老山展望台の見えない建築とパノラマ絶景!

まずは、大島の南端に位置し、瀬戸内海国立公園に指定されている「亀老山(きろうさん)展望台公園」をご紹介します。

亀老山の山頂、標高307.8mの位置にあるのが亀老山展望台です。でもただの展望台ではありません。周囲は木々に囲まれており、外側からは全貌がよくわからない……。
とりあえず行ってみますか!

展望台へのアプローチが独特。駐車場に車を停めて入口へ。コンクリートの通路の先に現れる階段。なんだか要塞のような雰囲気……。冒険気分でドキドキしてきます。

階段をのぼっていくと少し広い空間に出ました。今度は先ほどより広い階段が。心躍らせながら、一段また一段と足を進めると、どんどんと青い空の範囲が増えていきます。のぼりきると、視界の先には美しい世界が広がっていました。

南北2か所にある展望デッキからは、壮大な360℃パノラマの絶景が!緑の向こうには、来島海峡大橋、瀬戸内海に点在する島々、遠くには西日本最高峰の石鎚山などが見渡せます。

山と海と空のコントラストが絵画のようで胸を打たれます。時間を忘れて静かに見入る人が多いのも納得ですね。

夕暮れどきには海面が茜色に染まり、夜は輝く今治の街の光、タイミングが合えば来島海峡大橋のライトアップ(日にちは公式サイトにて確認)が眺められて、昼間とはまた違った印象になります。

この展望台は1994年に世界的建築家・隈研吾氏が設計したもの。人工物のほとんどを山の中に埋め込むことで、自然に溶け込む“見えない建築”になっており、コンクリート打ちっぱなしの機能性と、デッキなどに使われている木材の温もりを両立させています。
絶景スポットとして楽しむのはもちろん、建築好きの方にもぜひ訪れてほしいスポットです。

島の恵みと家族の物語が
織りなす食体験

Bistro Paysan(吉海町)

ランチを食べるなら足を運んでほしいのが、小高い場所にある「Bistro Paysan(ビストロ・ペイザン)」。

天然酵母のパンが人気のベーカリー「Paysan」の姉妹店にあたり、求(もとめ)さんファミリーで営んでいます。島で育った息子・大地さんと陽介さんは、それぞれシェフ、パティシエとして、東京、神戸、スペインなどで料理修行をしたのち、大島にUターンして、2022年このビストロをオープンさせました。

島の人たちにも愛されつつ、しまなみ海道を行くサイクリストさんやドライブ旅の観光客にも人気。週末は満席のことも多いとか。

古民家を改装した建物で、約3年という時間をかけてセルフリノベーションしたそうです。
ヨーロッパの田舎町を思わせるような、温かな雰囲気に包まれています。

赤色が印象的で、とっても可愛い!広い窓から柔らかな光が差し込む空間。
こちらのインナーテラス席と屋外テラス席はペット同伴もOKです。

窓の向こうには海。ぽっかり浮かんだ小島も見えます。この景色が食事のひとときをより豊かにしてくれそうです。

ステーキは火入れが絶妙!
噛むと口の中に旨味があふれます。
野菜と一緒にいただくとさらに美味しい。

求さんご一家の母・ゆう子さんが、「使っている食材は、ほとんど大島のものなんです。お肉は島の精肉店からブロックで、お魚は椋名漁港などの漁師さんから直接仕入れています。息子の同級生であったり、野菜も親しくしている地元の農園だったり」と、テキパキと料理を運びながら教えてくれました。地元の生産の食材だと顔がわかるので安心できますね。

スタッフの立尾 小百合さん(左)とファミリーの母・求 ゆう子さん(右)

本日のパスタ。
この日はきのこがたっぷりのクリームソース。

日替わりお魚ランチ「真鯛の炙りたたき」。
お米も大島産です。

ペイザンのパンは、島外からわざわざ買いに来る人も多く、通販でも人気です。オーガニックレーズンから生まれた自家製の天然酵母を使用。国産小麦を中心にしており、時間をかけて丁寧に焼かれたもの。さらにパン窯までご家族で自作したものでした。皆さんのこだわりや手作りの優しさを感じます。

人気の「大地のオムライス」は無添加のケチャップを使用。卵がプルプルしています。これを自分でナイフを使って開いていくと…

中がふわトロ!こんな演出も楽しい時間です。
小さなサイズの「キッズオムライス」もあるので、小さいお子さんのいる家族連れにも嬉しいですね。

自家製デザートは「さすがパティシエ!」とうなりたくなります。フランボワーズとチョコレートのババロア。いちごのソースとクランブルが効いています。
コーヒーは石窯で焙煎されたオーガニック豆を使用。みかんジュースは大三島産の有機みかん。果汁感がすごい!

優雅な島時間を堪能しながらのランチは最高の贅沢。素材の魅力を活かした料理は、季節の移ろいや島の暮らしを感じさせてくれ、地元愛と家族愛にあふれています。
島の恵みを五感で楽しめ、島の暮らしを味わえるビストロでした。

来島海峡の急潮と

村上海賊の歴史に触れる
潮流体験

皆さんは「瀬戸内海」というと、穏やかな海を思い浮かべませんか?
しかし実は、このIMABARI LIFEでも何度か触れている通り、来島海峡は世界でも有数の急潮として知られています。その影響で海面に渦が巻くという、珍しい現象が起きるのです。大潮のタイミングには、潮の満ち引きによる高低差が3m以上になり、最大で10ノット(時速約18km)もの潮流が発生します。

宮窪漁業協同組合直営の鮮魚レストランと物産館がある観光施設「能島水軍(のしますいぐん)」へ。ここから観光船に乗って、潮流体感をしましょう。向かいは村上海賊ミュージアムです。

こちらからは、朝9:00から15:00まで1時間おきに毎時00分に船が出発します。公式サイトに「年間潮流早見表」が載っているので、潮流のベストタイムを事前にチェックしていくのがおすすめです。

この周辺には、室町時代から戦国時代にかけて、“日本最大の海賊”といわれた「村上海賊(村上水軍)」がいました。瀬戸内海を航行するためには、本州と四国の間であるこの辺りを必ず通ります。彼らは船を襲って金品を強奪する“海賊”とは異なり、船から通行料を徴収する代わりに、航海の安全を保障し、瀬戸内海の交易・流通の秩序を支える海上活動を生業としており、島の人々と暮らしを支えてきました。
「荒ぶる海の男たちなのかな?」とも思えましたが、茶道をたしなんだり、歌を詠んだりという文化度の高い一面もあったようです。

約40分間のクルーズでは、能島村上氏の本城があった能島城跡、船折瀬戸、見近島、伯方・大島大橋を巡ります。

でも、なぜこんなに流れが速く、渦が巻くのでしょうか?その秘密は「地形」にありました。瀬戸内海の中でも特に狭い海域に大小の島々が密集している場所。そこに海水が押し寄せては激しくぶつかり合うので、あちこちで渦が発生するのです。

上を通過するための来島海峡大橋を、真下から見上げることができるのも、このクルーズの醍醐味。渦巻くいくつもの潮流や、次々と通過していく船などを目の当たりにできます。熟練の船長さんの巧みな操船は海賊並みかもしれません(笑)

ガイドさんによる解説は、地形の特徴や海流の仕組み、村上海賊の歴史や伝説まで多岐にわたり、明日から物知り顔で友達に話せちゃうかも。

500年前に生きた村上海賊たちもグルグルと渦巻く海を見ていたのかな…と思うとちょっとノスタルジックな気持ちになってきました。

道の駅「よしうみいきいき館」からも潮流体験ができる観光船が出ています。
世界的にも珍しい急潮の体験と、村上海賊の壮大な歴史。大島ならではの「体感する歴史」に、きっと心が動かされるのではないでしょうか。

現代の大島は、豊かな自然と穏やかな人々、そして受け継がれてきた食や文化が共存しています。観光地化しすぎていない「素顔の島時間」が流れる場所。亀老山展望台の絶景と建築美、Bistro Paysanの温かな料理、そして来島海峡の潮流体験。
歴史と自然、そして人々の暮らし。ぜひ大島の魅力を五感で感じてみてください。