2018.10.30 |今治タオルコラボプロジェクト第一弾|メイクアップアーティスト中野明海さんプロデュース

“肌と髪にとことん優しい”
今治タオルができました。

中野明海

AKEMI NAKANO

1961年生まれ。幼少の頃から化粧品やメイクアップ、ファッションの世界に憧れ、1985年よりフリーのメイクアップアーティストとしてのキャリアをスタート。年齢にかかわらず、その人らしさや、本来持つ可愛さ、魅力を最大限に引き出すメイクで、多くの女優、アーティストを担当。雑誌、広告、映像でのヘアメイクをはじめ、化粧品やツールの開発も手がける。

2018年10月30日(火)、今治タオルコラボプロジェクトの第一弾。ヘアメイクアップアーティストの中野明海さんプロデュースによる、「肌と髪にとことん優しい」今治タオルが誕生しました。そこで、IMABARI LIFEでは、中野さんに取材して参りました。

羽のように、軽くて
柔らかくて吸水性のいいタオル。

今治タオル工業組合から公募し、選抜された4メーカーが製造

今治タオルコラボプロジェクト第一弾ということですが、今回のお話は、どんな経緯で進んだのか聞かせてください。
中野明海さん(以下、敬称略):もともと子供の頃よりタオルが大好きで、ヘアメイクという職業もあって、いろいろなタオルを買っては試すを繰り返していたんです。手触りは良いけど水が入って行かないのは何故だろう…。水をよく吸うけど肌当たりが硬いのは困るな…。何が自分にとって一番なんだろう…。常日頃からそういうことを考えていました。家にはいろんなタオルがあって、タオル研究所みたいな感じだったり、タオルの話になると熱く語りすぎて引かれちゃったり(笑)。そんな噂を聞いた、(今治タオルのブランディング・プロデューサー)佐藤可士和さんの奥様の悦子さんからお話をいただいたんです。
なるほど。今回はどんなタオルを作られたのですか?
中野:最初の打ち合わせのときに、可士和さんから、「とにかくどんなタオルが好きで、どんなタオルが欲しいのかを好きに言っていい」と。そんな自由をいただいたんです。「それが今治タオルの活性化につながるから」と。
そのとき私がお伝えしたのは、羽のように軽くて、優しい肌触りで、吸水性がいいタオル。その3つを満たす、「肌と髪にとことん優しいタオル」をつくりたいということでした。
サイズは、ミニバスタオル、フェイスタオル、ウォッシュタオルの3種です。今治タオル工業組合に加盟しているタオルメーカーさんにこのコンセプトを伝えて応募してもらい、試作タオルを実際に使って、その中から4社を選んで製作していただきました。

佐藤氏のオフィスで。何度も試作品を持ち寄り打ち合わせを重ねた

それは、まさに女性が欲しいタオルですね! 吸水性は、今治タオルの得意とするところだとは思いますが。
中野:はい。もともと今治タオルは、「5秒ルール」というものがあって、吸水性がいいものしかないのですが、その中でも、水の吸い込み方の種類はいろいろあるんですね。
たとえば、同じ吸水性がいいタオルでも、身体についた水を拭いたあとそのタオルの同じ場所で拭くと、ひやりとするものと、しないものがあるんです。それは、パイルが水分を吸うときに、横に広がるものと、縦に吸い込むものとあるらしく、横に広がるものだといくら水を吸っていても水分を感じてしまうんですね。他にもいろいろ要因があるらしいのですが。体を拭くと言う目的だけだったらそれでもいいかもしれないし、人それぞれの好みもあると思うんです。
でも私は、ふんわりした中にシュッと吸い込むものが好きで、肌のことを考えると、拭くときに肌に刺激が少なく、油分は取りすぎず、優しく水分だけを吸い込んでくれるものがいい。蒸しタオルをつくって顔をふっくらさせるのに使ったり、美容的な使い方をするには、パイルが硬くて肌をこすってしまうものなどは向いてないんですね。美しいヘアメイクは、やっぱり健やかな肌を保つことから始まるので。
だから今回のタオルは、すべての人の肌に優しいものだといいなという考えでつくったものなんです。
美容的な使い方というと、具体的にはどういうことでしょうか?

中野:タオルにしかできない美容って、いっぱいあるんです。体を部分的に温める、肌を温める、パックのように美容液を浸透させる、のように。あたたかくしたタオルで顔を蒸して肌をやわらかくして、化粧品などがなめらかに乗っていくようにするとか。
クレンジングして、お風呂から上がってきたときに、まだ目のまわりが黒かったり、小鼻がざらついたことってないですか?そういうときに、すぐ顔にオイルを塗って、やわらかいタオルで身体の水分と共に拭き取ってしまえば、お風呂の中で必死に洗顔しなくても、そのひと手間ですごく肌が綺麗になったりするんですよ。そういうときは、なめらかでやさしいタオルじゃないとダメなんですね。

だから皆さん、このタオルを使っていただくと、優しさと軽やかさに感動していただけるのではないかと思います。

たしかに、見た目からして、肌がよろこびそうなタオルですね。
中野:もちろん、先ほども申し上げたように、好みもあると思うんです。しっかりとした手触りで、ハリと強さと弾力があるタオルもあって、男の人はそういうのが大好きだったりするんですね。
でも今回は、そうではなくて、肌が弱い人や、髪が傷んでる人、力の弱い女性やお子さんが使いやすい軽さ、などを考えたもので、言わば「弱い人に優しいタオル」なんです。例えばあんまり重いタオルだと、髪を拭いているとき、女性やお子さんは疲れちゃうじゃないですか。そうではない、ふにゃふにゃとやわらかいんだけど、水はよく吸うというタオルなんです。
なるほど。今回、色にもこだわられたとお聞きしましたが。
中野:色は、3色で、白と、アッシュピンクと、グレーです。白は、今治タオルの基本の色。そしてアッシュピンクは、私のテーマカラーで、ピンクだけどピンクじゃない、肌に乗せると、肌も優しく綺麗に見える色なんですね。あとは、清潔感のあるブルーグレー。このピンクやグレーなら、例えばファンデーションが染み付いたりしてもそんなに気にならないし、何度も使って、洗ったりしていっても、ずっと清潔感が保てる色ですね。
何度使っても綺麗なのは嬉しいですね。
中野:本当に、使うほどに風合いも出てきて、大好きな感じになっていくんですよ。洗うとこのフリンジもくしゃっとなってくるんですが、それがとても可愛いんです。どのタオルも、使うたびにそれぞれ違っていい感じになっていきます。

4社それぞれのタオル。
全部使って驚いて欲しいです。

それでは、もう少しどんなタオルなのか詳しく知りたいのですが、今回のコラボに参加した4社のタオルそれぞれの特徴を教えてください。

中野:はい。それまでよく知らなかったんですが、今治タオル工業組合って、100いくつものメーカーの集合体なんですよね。そこへ今回のテーマを伝えて募集をかけて、応募のあった中から悩みぬいて選んだ4社が、今回製作していただいた、大成タオルさん、オリムさん、村上パイルさん、渡辺パイル織物さんなんです。

まず、大成タオルさんは、とにかく軽くて、やわらかくて、薄いです。薄いタオルにしかできない美容的な使い方がしやすいタオルです。例えば、髪に巻いたり、半身浴のとき首に巻いたり、温めて顔を蒸したりするのにも適しています。顔に乗せて、タオルの上からマッサージするときも、指の感触がちゃんと肌に届くので、そういう細かな作業が上手にできる優しいタオルです。

通常の半分の細さの糸を使用し、柔らかさを追求した大成タオル

オリムさんのタオルは、ふっくらしていて、とにかく滑らか。肌を引っかけないというか、パイル感が本当にない。これこそ上質な化粧コットンのような質感です。
今回、オリムさんは、今回の「肌と髪にとことん優しい」というコンセプトを受けて、「優しい」とは何か?についてすごく考えていただいたそうです。
肌に優しい織り方や糸を選んで、考え抜いてつくってくださった。
そしてつくったものを、関西の摩擦係数をはかる会社に依頼したら、オリムさんの従来のタオルと比べて、すごくいい結果がはじき出せたらしいんです。ありがたいですね。

肌摩擦を極限まで軽減し、肌への優しさを追求したORIMのタオル

村上パイルさんのタオルは、今回の4つの中では、いちばんタオルらしいタオルじゃないかなと思います。男性とか、タオルらしいタオルが好きな方はお好きなんじゃないでしょうか。とにかくクッション性がすごい。だけど本当にやわらかくて優しいんですけれど、しっかりしていて、毛量が多い人に、お風呂上がりにはすごくいいんじゃないかなと思います。
気持ちがいいです。とにかくすっと吸ってくれます。キャノン加工といって、洗えば洗うほどふわっと花が開くようにパイルが立ってくるんです。優しくてふんわりしたタオルです。

吸水性に優れ、洗濯を繰り返しても柔らかさが持続する村上パイルのタオル

渡辺パイル織物さんのタオルは、オーガニックコットンを使っています。オーガニックにこだわりたい方にはとても良いのではないかなと思います。シープ加工をほどこしていて、このモコモコした感じは、女性ならみんな好きな質感ですよね。どこも引っかからない、ふわふわで軽いタオルです。この加工は、一回洗った方がよりいい感じで立ってきて、ほおずりしたくなるような見た目の愛らしさもたまりません。

オーガニック綿を使用し、人にも環境に優しい渡辺パイルのタオル

今回、HOW TO動画も撮ったんですけど、それを見ていただければわかるんですが、例えば、髪を拭きながら、指先で頭皮や耳の中まで水分を拭き取りながらマッサージして、フェイスラインをアップするような使い方もできるんですけど、それは分厚いタオルではできなくて、薄くて軽いタオルじゃないとできない。この中だと、大成さんと渡辺さんのタオルが適しています。

> HOW TO 動画を見る   

とにかく吸水性とか、安心の度合いとかは、どれも素晴らしくて、それぞれ個性的なタオルになっているので、タオル好きの方にはぜひ、ひとつずつ試して、驚いて欲しいなと思いますね。

タオルづくりの工程を見て、
思わず涙あふれました。

今治タオルについてお聞きしたいのですが、これまで今治タオルについてどんな印象で、それが今回どう変わりました?
中野:それはどうしよう。1時間くらいかかっちゃう(笑)。まず、私は、メイド・イン・ジャパンにこだわってきたんです。日本人の繊細な技術って、安い海外製品におされて、どんどんなくなっているじゃないですか。日本は技術が売りの国なのに。その技術を残すために、まず私が買わなきゃいけないっていう変な使命感があったんです(笑)。
それで日本製のタオルを買っているうちに、今治タオルとも出会って、使うようになっていったんですが、もちろん佐藤可士和さんがブランディングして、有名になったことも存じ上げていたんですけれど、でも今治タオル工業組合が100いくつものメーカーの集まりだとは全然知らなくて。地域を盛り上げていくために、そのライバルであるはずのメーカーの皆さんが一緒に頑張って、こんなブランドになったということを今回初めて知って、なんて素晴らしいんだろうと思いました。
今回、実際に今治にも行かれたんですよね?
中野:そうなんです。もともと物作りの工程を見るのが大好きで、今回コラボさせていただいた4社の工場と今治タオルの本店とLAB(今治タオルラボ)を見学させていただいたんですが、もう楽しすぎて。すごく感動しました。その感動したことを話すと、これまた3日くらいかかりそうなんですけど(笑)。

今治タオル本店を見学する中野さん

現地で中野さんが号泣したという話が漏れ伝わってきたんですけど(笑)
中野:泣きました(笑)。胸がいっぱいになって思わず涙あふれてしまって。みなさんとお食事してるときに、工場で感動したことを思い出して、また…。
どのあたりにそんなに感動されたんでしょうか?
中野:工夫と、発明と、技術と、努力と、伝統と、心意気や熱い思いに!
こうやったら染まるとか、綿の汚れを細かく取って綺麗にして、こうやって織り上げていくと絡まないとか、ひとつひとつ誰かが考えて、とんでもない技術革新が生まれたんだなあとか、そういうことすべてを目の当たりにして、本当に素晴らしいなと思って。
タオル⼯場4社と、染色工場のツヅキボウさんを⾒させていただいたのですが、たたとえば、大成さんの工場では、大きくつながった反物で、糸の細さ、経糸緯糸の密度、パイルの太さなんかをマジックで書かれているものを見せていただいたんですけど、それがこのタオルができるまでの試作の布だったんです。縫製の方から、工場の皆さんまで、36名の全従業員の方々で、この質感、肌触り、テクスチャーを好きか嫌いか聞いたんですって。それは社長が初めてやったことだったらしいんです。それって、すごいことじゃないですか。なんて途方も無い工程を経て、このタオルができたんだろう。そう思うだけで、このタオルの価値ってすごいなって。そんな試作品を見せていただいたときに、ありがたくて涙が出てきました。

感動の連続だったタオル工場見学

「タオルのプリンセス」
みたいなものができたと思います。

つくる上での苦労は何かありましたか?
中野:私の苦労はなんにもなかったです。苦労があったとしたら、家の中がタオルであふれかえったことくらいです(笑)。苦労してくださったのは、それぞれのメーカーさんだなと思います。できていく過程で、ずっと私は楽しかったし、ワクワクして、毎回毎回試作品が上がってくるのを使わせていただいて、意見を言わせていただいていただけですね。
完成してみていかがですか? 思い通りのタオルができましたか?
中野:こんなに繊細で、それでいて吸水性もいいタオルってなかなかなかったので、メーカー各社さんには作っていただいて本当にありがたかったです。今治タオルはもともと素晴らしいタオルばかりで、「タオルの王様」みたいなタオルがたくさんありますよね。それと比べると、私の作ったタオルは「タオルのプリンセス」という感じ(笑)。王様でも、女王様でもなく、とても気が効く、可愛らしいプリンセスができたと思っております。
いいですね、タオルのプリンセス(笑)。すごく欲しくなってきました。ありがとうございました。
今治タオル ブランディング・プロデューサー 佐藤可士和氏からのコメント

中野明海さんとのコラボについて



佐藤可士和
今治タオル ブランディング・プロデューサー

今治タオルコラボプロジェクト第一弾ということで、メイクアップアーティストとして第一線で活躍され、女優やアーティストの方々からの信頼も厚く、またご自身も無類のタオル好きという中野明海さんにお願いしました。これまでにも僕がデザインしたタオルを限定発売したことは何度かありましたが、今回はデザインや色だけではなく、吸水性や肌触り、髪や顔を拭くときの使い心地など、タオルの機能に踏み込んだコラボレーションにしたいと考え、プロフェッショナルの視点と消費者視点の両方を持った中野さんにぜひお願いできればと思ったのです。

実際にプロジェクトが始まってみると、品質に対しての、想像以上に厳しく愛のあるこだわりがすごかったですね。また、なるほどなと思ったのは、「使っているときに肌がキレイに見える色」「ファンデーションのついた顔の汗を拭いた時にも、いい感じになるような仕上がりに」「フリンジをつけて、掛けてあるときも生活に豊かなシーンを提供したい」というように、機能性だけではなく、使うときの見え方や気分までデザインされているところです。その視点はメーカーだけではなかなか気づけない部分なので、中野さんならではの素晴らしいコラボレーションになったと思います。メーカー4社と細部にまで妥協せず、4社それぞれの長所を最大限に引き出して完成させた「肌と髪にとことん優しい今治タオル」、ぜひ堪能していただきたいと思います。

今回のタオルを製作した4社からのタオル紹介コメント

大成タオル株式会社

http://www.onarutowel.co.jp
紡績会社と共同で開発した、弊社オリジナル糸「エレガントツイストフリー」を使用しています。通常の糸の半分の細さの糸を無撚糸にすることにより柔らかさを追求しました。原綿に超長綿のアメリカンピマコットンを使用しているので毛羽落ちが少なく、毛羽落ちの試験では無撚糸ながら通常のタオルよりも良い数値が出ています(当社比)。各アイテム十数種類のサンプルを作成し、全従業員にアンケートを取り一枚を選出、更に中野明海様のアドバイスをもとにパイル長やヘムの形状などを変更して、厳選した一枚に仕上げました。

株式会社オリム

http://www.orim.co.jp
「肌に優しいタオル」とは、どういったタオルなのかを考え、タオル使用時の肌摩擦を極限まで軽減し、肌が傷つく可能性を少なくしたのが、このタオルです。パイル糸に通常使用する糸より細い糸を使用し、 かつ、密度を高める為に引き揃え(通常パイルが1つ出来るところに糸を複数使用して2本以上のパイルが出来るように作成)をすることによって、通常のタオルより繊細な糸が密集している織物になっています。それによって肌に直接触れる部分を点の集合にすることでより肌に優しいタオルとなりました。

村上パイル株式会社

http://m-pile.jp
コットンUSA認定の米国綿を使用し、パイル糸を、空気層を含み繊維がからみあう構造にすることで、柔らかくボリュームがあり、毛羽落ちのしにくいタオルが完成しました。吸水性に優れ、洗濯を繰り返しても柔らかさが持続し膨らんでいく感覚です。また、中野明海様のアドバイスで、よりパイル長を伸ばし、織り上がった後にキャノン加工(ブラッシング)することで、弾力性を高めました。

渡辺パイル織物株式会社

http://www.watanabe-pile.jp
パイル糸にインド産超長綿のオーガニックの綿を使用しています。抜群の吸水力と柔らかさを保ちつつ、独特なシルクのような手触りと、ふんわりとした柔らかな風合いが魅力のタオルです。4社中で唯一のオーガニックタオルで、塩素や苛性ソーダを一切使用しておらず、CO2排出量40%削減(当社比)。人にも環境に優しい製造工程を採用しています。

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