2018.04.05 |<第二回 大島〜伯方島篇>自転車に乗って、しまなみ海道の風になる。|今治レポートVol.6

手造り建築のカフェで、
美味しいごはんを食べまくる。

ここまでのルート

さて、サンライズ糸山から来島海峡大橋を通って、無事大島へ渡った2人。
ここ大島は、約42k㎡ほどの島。 ろうさん という山が、絶景スポットとして有名らしいですね。サクッと行ってみましょうか?

「いやいや、サクッとって…。亀老山への坂道はかなりキツイですよ。私は遠慮しておきます(笑)」(作道)

あ、そうでしたか。 作道さんによると「初心者が亀老山を登るのは難しいので…かなり体力のある方か、普段から乗っているサイクリストでしまなみの絶景を楽しみたい方にオススメです」とのこと。とはいえ、せっかくの絶景スポットなので、亀老山にはスタッフが車で行って撮影してまいりました。



亀老山から見た来島海峡大橋



神々しいほど美しい景色が

神々しいほど美しい景色が



確かに素晴らしい景色です! この亀老山の頂上には、車ならほんの10分ほどで行くことができます。展望台もあるので、ここだけ車に自転車を積んで行く手もありますよ。

みかん畑の先に現れた
異国の童話のような一軒家。

一方、ノッてるガールズの2人は大島をぐるっとサイクリング。みかん畑が広がる道を走ります。なんだか癒されますね。



するとその先に、小さな西洋風の古民家が。
なんでしょう、このお庭の広さ。なんでしょう、このセンスの良さ。まるで日本じゃないような。ここだけ物語の世界に迷い込んだような世界観です。

ここは、女性オーナー渡辺祐子さんの営むカフェ「友浦サイト」。
ご主人はカナダ人で、渡辺さんと結婚して今治を訪れたときに、海と島が見えるこの地に感銘を受け、移住を決意。渡辺さんのご実家の親戚づきあいのあたたかさにも感動して、自分の子はこんな場所で育てたいと思ったことも理由のひとつなのだとか。さらに移住してからしばらくして、この土地と出会った渡辺さんが、カフェを始めました。
「荒れ地だったのを、更地にするところから始めました。
都会の街にはないカフェをやりたかったので、庭を広くしたかったんです」



古い家を壊すときの廃材を近所からもらって来たりして、友達の協力やアドバイスをもらいながら、自分たちで少しずつリノベーション。1年以上もかかったそうです。ここが日本家屋だったなんて、いまとなっては全く想像もつきませんね。

さて、ランチをいただきましょう。とってもオシャレで美味しそうなサザエのパスタが運ばれてきました。

このサザエの殻の中にはバジルソースでマリネしたサザエが、またパスタにはフレッシュなサザエが入っています。
「磯の香りがします。この海草、ワカメでしょうか? 美味しい!」(作道)



一方、こちらはスタッフが撮影の合間に軽く食べようと注文した「卵かけごはん膳」。あれれ、かなりゴージャスです。



ふわっふわのメレンゲがご飯の上に乗り、そのなかに卵の黄身が。これが卵かけごはん?
「これは最近始めたメニューで、島で採れた卵を使っています。この卵と出会って、どうにかいいメニューができないかとずっと考えていたんですが、あるときお菓子のメレンゲを見て『これよ!』ってひらめいたんです」

他にも、一週間煮込んだカレーや、自家焙煎のコーヒーなど、ひとつひとつのメニューがとてもこだわって作られているお店でした。

大島石のカフェで食べる
素朴な味のパンケーキ。

さて、友浦サイトを出てゆるゆると走っていると、またすぐ近くに、もう一軒素敵なお店を発見。317号線沿いの『石のカフェ』。その名の通り、床面に大きな石の敷き詰められた建築が印象的です。



玄関の石は、大きいものだと6mもの深さがあるとか。

玄関の石は幅6m、大きいものだと深さが1mもあるとか。



この石は、この大島で採れた大島石。そしてここの設計は、なんと世界的建築家の伊東豊雄さんなのです。伊東さんは、2011年、この近くの大三島に今治市伊東豊雄建築ミュージアムを開館し「日本一美しい島・大三島をつくろうプロジェクト」を進行中。実は今治にゆかりの深い方なのですね。

「家業が採石業を営んでいるのですが、大島石の良さをもっと知ってほしいという思いがあって。それで、NPO活動で繋がっていた伊東さんに、ここの設計を依頼したんです」

と話していただいたのは、この石のカフェのオーナー矢野摩奈さん。施工は、大工さんに一部入ってもらっただけで、全部自分たちで建築。近所の人にも協力してもらったりして1年くらいかかったそう。なんだかさっきも同じような話を聞いたような…。島の人たちはDIY好きなのでしょうか。それにしても、こちらも自分たちで建てたとは思えない素敵さです。



石だけではなく木のぬくもりにホッとする店内

石だけではなく木のぬくもりにホッとする店内



ここの名物は、オリジナルのパンケーキ。先ほどランチを食べたばかりですが、せっかくなのでみんなでシェアしましょうか。パンケーキは注文を受けてから粉を混ぜ始めるので、20分ほどかかります。お店のオススメは、これまた人気メニューの濃厚なソフトクリームをつける食べ方。甘さ控えめなパンケーキの素朴な味と、ソフトクリームの濃厚なマッチングが、絶妙な味わいでした。



オリジナルのパンケーキ

海の見えるテラスで食べる
洋菓子屋さんのパフェ。

さて、お腹も満たしたところで、2人は再び自転車に乗り、伯方島へ向かいます。伯方島といえば、塩づくりが盛んなことでも有名で、「伯方の塩」は全国のスーパーで売っているほどおなじみの銘柄。また、海運業と造船の島でもあります。つまり他の島々と同様、海とともに生きている島なのですね。そしてその海が、とても綺麗に見えるカフェを見つけました。



ここは「Patisserie T's Cafe玉屋」。お店の奥のテラスから、しまなみの海が広がります。
この景観は、なかなか都会では得られません。

「先代は和菓子屋だったんですが、違うことをやってみたいと思って洋菓子店を始めました。ここはもともとうちが持っていた土地だったんですが、松山の女性設計士の方にお願いして、このカフェを建てました。窓を大きくしたり、床面を70cm上げたり、海を美しく見るための設計になってます」
と語るのは、オーナーパティシエ・国貞さん。

「パティシエっていうか…ただの洋菓子屋のオヤジですよ」
と照れる国貞さんですが、聞けばここは広島や東京からもわざわざ訪ねてくるほどの人気店なのだそうです。






ちなみにお店に入ってからずっと「パフェが食べたい…」と言い続けている渡邊さん。でも、さっきランチやパンケーキを食べたばかりですよね? パフェなんて食べられますか?
「食べられます(きっぱり)」(渡邊)
さすがノッてるガールズ…。作道さんも、イチゴのタルトを注文しました。やっぱり自転車ってお腹空くんですね。



パティシエがその日の気分でつくるフルーツのパフェ

パティシエがその日の気分でつくるフルーツのパフェ



地産のイチゴをふんだんに使ったタルト

地産のイチゴをふんだんに使ったタルト



一口食べて、びっくり。美味しい!! このパフェ、このケーキ、どうしてこんなに美味しいんですか?
「別に、特段どうってことないですよ。腕ですかね?(笑)」
謙遜してるのか自慢してるのかわからない国貞さんでしたが、しつこく聞いてみると、少しずつこだわりを語ってくださいました。
「カフェのパフェではなくて洋菓子屋の作るパフェにしたかったんです。生クリームが美味しくないと後味がこんなによくならない。チョコレートも、バローナという、ジャンポールエヴァンも使っているメーカーから取り寄せた、とてもいいものを使っています中にカリカリしたパールクラックラントいうチョコレートが入っているので食感も楽しめるようになってます。フルーツもとてもこだわって選んでいます」
ひとつひとつの素材のクオリティと技術の高さが合わさって、こんなに美味しいスイーツができるんですね。



ちなみに
「初心者の方にはここまでのコース(サンライズ糸山〜大島〜伯方島)の往復くらいがちょうどいいかもしれません」(作道)
とのこと。
しかしスイーツ欲も満たしたパワフルな2人は、もう少し先の大三島へ向かいます。

(<第三回 大三島〜おみやげ篇>へつづく)

友浦サイト
:〒794-2204
愛媛県今治市宮窪町友浦664-2
電話番号:090-1177-3545
営業時間:11:00 ~ 16:00
:月曜日・火曜日(不定休あり)
http://tomoura.com
石のカフェ
:〒794-2203
愛媛県今治市宮窪町宮窪5216-8
電話番号:0897-72-9253
営業時間:10:00 ~ 17:00(L.O. 16:30)
:毎週木・金曜日、年末年始。
https://www.facebook.com/ishinocafe/
Patisserie T's Cafe玉屋
〒794-2301
愛媛県今治市伯方町有津甲2328
電話番号:0897-72-0343
営業時間:10:00 ~ 18:00(L.O.17:30)
http://tamayacafe.exblog.jp

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